愛国心(あいこくしん)とは・・・

うみうさぎ

2006年06月08日 02:24

ここ数日のニュースや新聞を見ていてとても心が痛むものがある。


「ドミニカ移民訴訟の裁判結果」


まだ
もし気にとめて見ていない人がいるなら・・・。(そんな人がいるとは思いたくも無いが・・・)
是非興味を持ってみて欲しいと思う事である。

私は正直見たくない

なぜなら、
あの苦労を想像すればどれほどの悲しみや苦しみを原告の皆さんが受けてきたか感じるからである。

しかし、
見なければ!!。。。と思うのである。

(そして知れば知るほどやりきれない悔しさと悲しみと日本政府への怒りを感じるのである)
 
●知らない人の為に簡単にいうと・・・。
国が行った他国への日本民移民政策でドミニカ共和国(カリブ海)に移住した日本人170人が、政府の夢のある宣伝を信じて移住したが全然異なる条件の地で過酷な生活を強いられた。国を相手に訴訟を起し、約32億円の賠償を求めていた。
この判決が先日7日、東京地裁で言い渡されたのである。この判決が出るまですでに五年もの月日が流れている。

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★もっと詳細★

50年代にカリブ海のドミニカ共和国に移住した177人が国を相手に三十一億八千四百万円の損害賠償を求めている通称「ドミニカ訴訟」
5年余りに及んだ裁判は2005年10月17日に東京地裁で開かれた口頭弁論を最後に結審した。
その時、約100席の傍聴席はドミニカや日本国内の原告、支援者、記者団で埋まった。納まりきれない人が外に溢れた。

最終意見陳述で原告団の嶽釜徹(67)さんは
「国側は時効を主張しているが、消えてしまったのは政府の良心と罪の意識。入植以来49年間に受けた移住者の苦しみや心の傷に時効はありません」と述べた。

700万人もの引揚者や失業者で溢れかえっていた戦後日本。
人口削減を喫緊の問題として国が移民政策を積極的に推し進めた。
その一つがドミニカ移住であった。
国の提示した条件は、
「肥沃で広大な農地の無料譲渡」
全国から250家族1300人が応募。

ブラジルなどへの移住に比べ、好条件の募集内容に移住者たちは夢と希望に満ち溢れていた。
しかし、
与えられた土地は、政府が約束した18ヘクタールに遠く及ばず、最高に良くて半分の土地。大半は土地の所有権も認められなかった。
しかも、
岩や石だらけの不毛の土地や塩で覆われた一面の砂漠。耕作不適地なうえ、水不足も追い討ちをかけた。
1300人の夢と希望は一瞬にして打ち砕かれ、数年後には半数以上が過酷な労働生活労働条件に耐えかね集団帰国かさらに南米へ移住する形で【希望の地】を去った。

政府の崩壊で移住地域は略奪の対象ともなり多大な心の傷をおった。移住者のなかには自殺する人も少なくなく。過酷な状況で体を壊す人も多数いた。

2000年に原告側は国を相手取り提訴。
「国はドミニカの農業の状況や住環境などの調査義務を怠った」と涙ながらの訴え。

国側は
「斡旋しただけで、募集要項の条件が満たされなかったのは、ドミニカ政府の問題。国の責任を問われるにしても時効が成立している」と真っ向から責任逃れ。

ドミニカは
「条件をろくに調査せず自国民を送り込んできたのは日本政府。日本政府の怠慢である」との見解。


政府の責任逃れの論争の間(5年)に 15人の原告が無念のままに永眠。



昨年(2004年)3月、小泉純一郎(首相)は正式の場(国会答弁)で
「外務省に反省すべき点はある。不手際を認め、移住者に対し、しかるべき対応を考えたい」と発言。

・・・が、
いつもと同様、ただの大衆向けのパフォーマンスでその後は何も行動はしていない。

外務省は、
「首相発言は法的なものではなく、和解の意思はない」との意見。あっさりと小泉のパフォーマンス劇場で言った言葉を消去した。

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今回の判決では、
「国は入植予定地を十分に調査せず、適切な移住先を確保するよう配慮する法的義務に違反した」として国の不法行為責任を認めた
しかし、
不法行為から20年経っているので損害賠償請求権はないとした。


時効・・・・。


こういう事が国の行った事にたいして有っていいのであろうか?
何であろうと忘れてはいけない無かった事にしてはいけない事である。

(沖縄の私にもこの悔しさはとても良くわかる。。。国に裏切られた思い。。。祖国の為と思っていたのが実は身内が悪だったという傷。。。無かったことでは済まされない事。)



沖国大にヘリが落ちたのも少女が米海兵隊に暴行されたのも数十年後には「昔の事」で片付けられてしまう日がくるのであろうか・・・

やりきれない日本政府への怒りがある。




内容で勝訴しながら、結果は敗訴。嶽釜さんは涙ながらにこう言葉を振り絞った、

「涙を流して死んでいった仲間に何と報告すればいいのか・・・」。

「私たちは国にだまされ捨てられた『棄民』である」。

「祖国は自国民をカリブ海の小さな島に捨てたんだな」。

「祖国にだまされるなんて、誰一人思っていなかった。我々は本当に日本人なんでしょうか」。



移住先で亡くなった仲間は現在137人を数える。


入植した場所は、石ころだらけで、かんがい施設もなかった。わずかな土と水でバナナを作り命をつなぐ日々。入植地は有刺鉄線で囲まれ、銃と刀を持つ軍人に似た姿の管理人が草刈り作業などを強いる。自由さえ奪われた。その悔しさやみじめさが、今もうずく。。。
「移住50周年ではない。『棄民』50周年だ。(日本の皆さんにもそういう風に見て思って欲しい)」と100%の自信をもって言った。



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ドミニカ共和国:
1.面積 48,442km2(九州に高知県を併せた広さ)
2.人口 約886万人(04年:世銀)
3.首都 サント・ドミンゴ(人口 91.6万人、02年:国勢調査)
4.人種 混血72.9%、ヨーロッパ系16.1%、アフリカ系10.9%、その他0.1%
5.言語 スペイン語
6.宗教 カトリック
7.日本でのイメージ カリブ海の楽園

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上記のドミニカ訴訟の方々の言葉を聴くと沖縄が本土に対して思っている事と同じ言葉が出てくる。

「祖国にだまされるなんて・・・我々は本当に日本人なんでしょうか?」

(先日の記事 【5/15は 沖縄の誕生日】にも書いたが、祖国にすてられた傷。。。うけた仕打ち。。。信じてた祖国。。。 )

(とても胸が痛みます。。。とても重い言葉です。。。深い思いを感じます)



ここ沖縄では祖国に捨てられた沖縄人が米軍によって今日も事件に巻き込まれて被害にあっている。


    いつもの様に・・・



そして、
国会では訳の解らぬ言葉だけの「愛国心」について争っている。



(やっぱり今の政府はムカツク話題ばかりなのである。。。)
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